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オペレッタ!狸御殿

お稽古&撮影日記



製作との関係でリアルタイムには書けないことになりましたが、正式発表後は書いていきます。
舞台とは違う雰囲気をお伝えできると思います



○月×日
「映画だけれど撮影前にお稽古のスケジュールもありますので、キープして置いてくださいとのこと」
狸の大勢口だったんだけれど、「選抜狸10人に選ばれました。スケジュールも少し多めにいただきます」
と連絡がありました。50人ほどいる、その他大勢の狸だったけれど選抜されたとは。
何が起こるかとても楽しみです


5月15日(土)

狸、初稽古。
撮影はひと月ほど前から始まっていますが、いよいよ大勢狸の出番。
東宝のスタジオに60人程の狸が集まりました(10代から50代?まで?の人々)
久しぶりの東宝撮影所です。
昔懐かしいスタジオ、20代の頃、モンペはいて防空頭巾をつけて走りまわったり、
ゴジラから逃げ回ったり、色々な思い出があるところ。
食堂もそのままだった。
メインの大スタジオは綺麗に建て直されていた。
レッスンする場所は何もセットが組まれていないスタジオで、コンクリートの倉庫という感じだった

そこへ続々浴衣にスパッツ、シューズをはいた人たちが入ってくる。
なんとも不思議なカッコ。
すぐさまチーム発表がありA からFまでに分けられる。
まるで学生時代の 朝礼のようだった。
A、Bはダンスの先生の教え子たちで、D、Eは役者さん、Fは個性はのおじ様、お姉さま?
残るCは、選抜狸10人といわれて、役者、躍らせてもついていきそうなメンバーだそうだ。

何を隠そう我がチームなり。
実写を見ていただければ判ると思いますが、年齢ぎりぎり、よく頑張ったと、自分をほめてあげたい。

そういえば、今回の狸御殿は日舞ではなく、オペレッタであった。
曲としては5曲ぐらいだけれど一つの曲でAパターンからCパターンまでバリエーションがあり、
本番でカメラのアングルや監督の意見で変わりますからと、色々なパターンをお稽古する。

私は頭にバンダナを巻き、浴衣の下に腰巻をつけスパッツをはき、靴下でシューズという、
連絡があったとうりの姿で、レッスンしました。
何だか自分が、東京キッドブラザーズになった気がしました(古いなー)


5月24日(月)

いよいよ、私の撮影初日。
始発で撮影所に向かう。
30人近い人たちが準備をするのだから、時間はかかる。
床山さんが、二人ほど知っている方がいて、
先方も「あれっと?」不思議な顔をしてました。
「私だってこっちの世界にもきますよ」っていいました。

いよいよスタジオに入る。
鈴木清順監督はお幾つなのだろう?まっ白なおひげが印象的でした。
私たちに、きちんと帽子を脱いで挨拶してくださり嬉しかったです。

さあいよいよ始まりました。
まず、狸御殿の庭。
30人の狸が御殿に向かって泣いている。
一番後ろでカメラからは後姿。−−−−
でもそこでお芝居の途中で監督が、「そこの君、振り向いて」と、
やったーーー最初からアップを頂きました。
一回でOKが出て、「今のよかったよ!!!」お褒めの言葉を頂嬉しかった

その後のシーンは例の踊るシーンがつづく。
最初は元気はつらつだったけれど、午後を過ぎるとだんだん疲れてきた。
笑顔も薄れていきました。
夜八時までかかり足が痛み出し、初日は疲労困憊でした。


5月29日(土)

二日め。
またまた始発でスタジオ入り。
今日は前回よりも大勢の狸たち。
準備にも時間がかかる。
そこでショックな出来事。
午前中の撮影が終わり移動するときに、ある助監督さんが
「エキストラさんたちはこちらで食事です」といいました。
エキストラ?
台詞があるから、役者、キャストで、台詞がないから、エキストラ?
どこで区別をつけているのだろう。
昔から、たとえカメラが後ろでも、背中の芝居をする、というのが、教えで、
そのとおり、頑張っているのに!!!
何だか落ち込む撮影でした。
それも終了が9時半となり、またまた疲れた一日でした。



6月7.8日

今回エキストラといわれてショックだったことがある。
やはり、他の方もそうだったのか、次の日にスタッフ側の態度が変わっていた。
その言葉も出なくなり、小道具やスケジュール表に書かれていたEX(エキストラ)と
いう字が消されていた。
どなたかが制作に言ったのだろうか?みんなの不満は少し解消された

そのような状況なので、今回は集団で出演する事が多く、他の出演者とあまり多くご
一緒出来なかったのが残念でした。


まとめ


久しぶりの本編(映画)でした。
舞台と映画、テレビではこんなにも、いろいろな事が違うのかと改めて、感じました。

衣裳、かつらをつけたまま、一日を過ごす。
食事もそのままの姿である。
舞台ではあり得ない事です。

始発で家を出て、撮影。
一日の予定量がとり終わらず、次の日も始発〜〜〜〜


鈴木清順監督の頭の中に、絵コンテがある。
今までの経験では、大体一日このようなカット数を撮って、こうなる、
と、うすうすはわかるものの、今度は違う。
監督がぼそぼそと説明すると、とたんに、カメラマン、照明さん、道具さんもろもろが、動き始める。

そこで、役者が芝居をする。
OKが出るのを待って、又監督の頭の中を、覗く!!!
一つ一つの細かいパーツが組み合わされて仕上がっていく。
今回特にCGもあり、どの場面がどのように仕上がるのか見当も付かない。
監督の頭の中にしかないのでしょう


肉体的にも精神的にも(待ち時間がとても長く)大変だったけれど、
でもとてもいい経験になりました。

上映が楽しみです。